14日 12月 2021
現代の私たちにとって世界大戦前に自明な前提であった明晰な自我は、徐々に寄る辺ないものになりつつある。 これがフロイトの発見した「ナルシシズム」の現代社会での帰結である。 かつてデカルトの唱えた「コギト」は自分自身が考えるということが明証性や明晰さの根拠であり、...
07日 12月 2021
フロイトやヒトラーの時代に比べて、経済的な豊かさが日常化した先進国で、今もっとも問題とされている神経症は、 ナルシシズム、ナルシス的退行である。 環境的な欠損や戦う敵は明確ではなく、目の前にあるのは漠然とした不確実性だけである。 退行を引き起こす条件は揃っている。...
16日 11月 2021
フロイトが「自我とエス」を書いた頃の、2つの世界大戦の時代のドイツに比べて、比較的安定した社会環境となった現代では、 超自我、エスともに、むしろ内部での分断が進んでいるのではないだろうか。 「何が正しくて何を信じればいいのか」、「自分のよって立つ道徳心とはどういうものなのか」、こんな混乱の中で、 人の規範である超自我は途方に暮れている。...
21日 9月 2021
大人のメンタルヘルスに関わっていると、より深刻で、それでいて見過ごされていることがあると気づきます。 それは、先進諸国での死因が心臓発作やガンという、自律神経系や免疫系の失調状態から訪れる慢性的な病気であることに象徴されます。 つまり、症状はサイレントで副交感神経が過剰に働いて自己組織を侵食していくような病気、...
15日 6月 2021
精神分析に視点から見れば、人間の生活は「うそ」に満ちています。 あるいは、あらゆる意識的な認知、知覚は、無意識の視点に立てば、どこかに「うそ」があるという主題を立てています。 ですから、そんなことはない、自分は純粋だという人には、精神分析は必要ないでしょう。...
01日 6月 2021
精神分析からみれば、病気はメッセージであり、サインであり、兆候であり、無意識からの贈り物です。 もちろん、苦しいことや痛みを伴うことが多いので、そう考えることが難しいのですが、 病気を契機として、もし自己を振り返り、人生を振り返る、そうした眺望が見えてきたら、 病気はそうした新しい意味を担うことになります。...
19日 1月 2021
あなたも私も「お子様大人症候群」ではないのか 誰でも一度は、あるいは不幸な人はしょっちゅうあると思うのですが、人に迷惑をかける困った人たちに巻き込まれて 人間関係に悩んだことがあるのではないでしょうか。 困った恋人や隣人、あるいはお客さん、交渉相手などなど、どうしてか、いつもこちらが不快になってしまうような...
06日 1月 2021
精神分析から見れば、人は多かれ少なかれ心を病んでいて、 しばしば衝動的だったり、しばしばあまりに頑固であったり、うそつきであったりします。 だから、たいていの人は子供であることが多い。 それが現実です。 もちろん聖人君子のような人はいますが、その人の心のなかでも、きっと多かれ少なかれ同じことは起きていて、 程度の差でしかありません。...
15日 12月 2020
指示待ちの子のコンプレックス ああしなさい、こうしなさいと言われれば動くけれど、指示がなければ自分からは自発的に動こうとしない。 その心理はどのようなものなのか。母子関係の背景を探ることにする。 A子(7歳)の母親は、A子の養育が生活のすべてと言ってよいような母親である。 とてもよく気がつく。...
01日 12月 2020
家族というのは、 ① 親密な人間関係であり、 ② その関係のあり方がその人の心の中の構成要素(対象関係)に決定的な影響を及ぼすもので、 ③ その経済的、社会的環境がその人の不安や娯楽のパターンを提供する枠組みになるという意味で、重要です。 けれどもいつまでも「家庭」をよりどころとすることは、少しばかり注意が必要で、問題が生じます。...

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